こんにちは、院長の宮脇大です。

「GLP-1」という言葉、最近よく聞きますよね。

「友人がマンジャロで痩せた」「オゼンピックを処方してくれるクリニックを探している」「リベルサスは飲み薬で楽そう」・・

ただ、これらの薬の適応を正確に把握している方は、医療従事者でも案外少ないんです。

今日は、GLP-1製剤の種類と、肥満症に使える薬がどれかを整理してみますね。

まず結論: 肥満症適応はウゴービとゼップバウンドだけ

これは絶対に押さえておいてほしいポイントです。

肥満症の薬事承認を受けたGLP-1製剤:

  • ウゴービ(セマグルチド) ── 週1回皮下注射
  • ゼップバウンド(チルゼパチド) ── 週1回皮下注射

この2剤だけです。他のGLP-1製剤(マンジャロ、オゼンピック、リベルサス等)は、糖尿病治療薬として承認されており、肥満症治療を目的とした処方は適応外になります。

「同じ成分なら適応外でもいいじゃないか」と思うかもしれませんが、医療制度上は別物として扱われます。

各製剤の整理表

製剤名一般名投与方法主な適応肥満症適応
ウゴービセマグルチド週1回皮下注射肥満症
ゼップバウンドチルゼパチド週1回皮下注射肥満症
オゼンピックセマグルチド週1回皮下注射2型糖尿病❌ 適応外
マンジャロチルゼパチド週1回皮下注射2型糖尿病❌ 適応外
リベルサスセマグルチド1日1回経口2型糖尿病❌ 適応外
トルリシティデュラグルチド週1回皮下注射2型糖尿病❌ 適応外

成分が同じでも、適応が違うという点に注目してください。

なぜSNS広告では「マンジャロで痩せる」が多いのか

ここからは少しシビアな話です。

SNSやネット広告で「メディカルダイエット」として宣伝されているGLP-1の多くは、マンジャロやオゼンピックです。本来は糖尿病治療薬として承認されたものを、自費診療で肥満症の方に処方している、というケースが見られます。

これは法律違反というわけではないですが、適正使用からは外れていると言えます。糖尿病治療薬として承認された薬を、糖尿病ではない方に減量目的で処方することは、本来の薬の使い方ではないんですね。

なぜマンジャロが多いかというと、肥満症適応のウゴービ・ゼップバウンドより薬剤費が安く、医療機関側の利益率が高くなりやすいから ── という事情があるようです。

患者さん側は「同じGLP-1でしょ」と思いがちですが、副作用のフォロー体制・適応条件のチェック・治療設計などが伴わない処方は、医療として不十分です。

ウゴービとゼップバウンドの違い

肥満症適応のある2剤を比較すると、こんな違いがあります。

ウゴービ(セマグルチド):

  • 2023年に日本で承認
  • GLP-1受容体作動薬
  • STEP 6試験(東アジア人): 68週で平均13.2%減

ゼップバウンド(チルゼパチド):

  • 2024年に日本で承認
  • GLP-1/GIP デュアル受容体作動薬
  • SURMOUNT試験: 72週で平均22.5%減(海外データ)

数字だけ見るとゼップバウンドの方が減量効果が大きい印象ですが、日本人での臨床経験はまだ蓄積中です。副作用や個人差もあるので、どちらが「優れている」と単純比較はできません。

当院では、患者さんの状態や治療目標に応じて使い分けています。

当院での処方方針

Doctor’s Fitness診療所では、適応条件を満たした方に対してのみ、肥満症適応のウゴービまたはゼップバウンドを処方しています。

マンジャロ・オゼンピック・リベルサスは、糖尿病の方への治療薬としては処方しますが、減量目的での処方は行いません

「同じ成分のマンジャロでいいんじゃないですか?」と聞かれることもありますが、医療として正しい使い方をしたいので、ご了承いただいています。


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それでは、また!

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よくある質問

Q.マンジャロでも痩せると聞きました。肥満症治療に使えないのですか?
A.マンジャロは糖尿病治療薬として承認されており、肥満症の治療を目的とした投与は適応外です。同じ成分のチルゼパチドが肥満症用に承認されたものがゼップバウンドです。同じ成分でも適応が異なるため、使い分けが必要です。
Q.オゼンピックとウゴービは同じ成分ですか?
A.はい、両方ともセマグルチド(同じ成分)です。ただし、オゼンピックは糖尿病治療用、ウゴービは肥満症治療用として、それぞれ別個に薬事承認されています。用量も異なり、ウゴービの方が高用量(最大2.4mg)まで増量できる設計です。
Q.リベルサスは肥満症に使えますか?
A.リベルサスはセマグルチドの経口剤(飲み薬)で、糖尿病治療薬として承認されています。肥満症は適応外です。GLP-1の経口製剤は現状、肥満症適応のものはありません。

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