こんにちは、院長の宮脇大です。

ウゴービを開始した患者さんから、こんな相談を受けることがあります。

「先生、ぜんぜん食欲がなくて、食事が摂れません・・」 「1日1食でも満腹で、夜になっても何も食べたくない」 「体力が落ちてきた気がする」

これは、薬が効きすぎているサインです。今日はその時の対応をお話しします。

食欲抑制は「効果」だが、行き過ぎはNG

GLP-1の主作用は食欲抑制。これ自体は治療目的なので効果として歓迎されるべきものです。

ただし、「食べなさすぎ」は別問題です。

理想的な状態は:

  • 適切に食欲が抑えられる
  • 必要な栄養は摂れる
  • 体重がゆっくり減る(週0.5〜1kg程度)
  • 体調が良い

これが目指す状態。逆に問題になるのは:

  • 食欲がほぼゼロ
  • 1日1食、それも完食できない
  • 体重が急減(週2kg以上)
  • 体力低下、疲労感、めまい

このような状態は用量調整のサインです。

用量調整の考え方

ウゴービは0.25→0.5→1.0→1.7→2.4mgと、4週ごとに増量していくのが標準スケジュールです。

ただし、全員が2.4mgまで到達する必要はないんです。

患者さんによっては:

  • 1.0mgで十分な効果が出る
  • 1.7mgで快適に過ごせる
  • 2.4mgは副作用が強くて維持できない

それぞれ「その方に合った用量」があります。

増量しないという選択肢

副作用が強かったり、食欲抑制が強すぎたりした場合、医師の判断で増量せず、現用量で維持することが多いです。

例:

  • 1.0mgで体重が順調に減っており、食事も摂れている → 1.7mgに上げない
  • 1.7mgで吐き気が継続している → 2.4mgに上げない

減量するという選択肢

すでに増量した後で副作用が強い場合は、1段階前の用量に戻すこともあります。

例:

  • 2.4mgに上げたら食欲ゼロ、食事不可 → 1.7mgに戻す
  • 1.7mgで便秘が酷い → 1.0mgに戻す

「もったいない」と思うかもしれませんが、続けることが大事です。

食欲抑制が強すぎる時の食事の工夫

用量調整と並行して、食事の工夫もできます。

1. 少量で栄養価の高いものを

  • (タンパク質、ビタミン豊富)
  • 豆腐(消化が良いタンパク質)
  • ヨーグルト(タンパク質+腸内環境)
  • 野菜スープ(消化が良く、栄養も摂れる)
  • アボカド(良質な脂肪、ビタミン)

「お腹に溜まらないもの」より「栄養密度が高いもの」を選ぶのがコツ。

2. タンパク質を意識する

体重減少時に最も注意すべきは筋肉量の低下です。タンパク質を意識的に摂ることで、筋肉を守れます。

目安: 体重1kgあたり1.0〜1.2gのタンパク質 60kgの方なら、1日60〜72g。

例:

  • 朝: 卵1個(タンパク質6g)+ヨーグルト(5g)
  • 昼: 鶏胸肉100g(20g)
  • 夕: 豆腐半丁(10g)+魚切り身(15g)
  • 合計: 56g(あと少しでクリア)

3. 食事回数を分ける

1食でたくさんは食べられないなら、少量を5〜6回に分ける。

朝・10時・昼・15時・夕・寝る前、のように分散させると、トータルの栄養が確保しやすいです。

4. プロテインの活用

どうしても食事から摂れない時は、プロテイン飲料も選択肢。1杯で20g前後のタンパク質が摂れます。

ただし「プロテインだけ」は栄養が偏るので、あくまで補助として。

体重減少のスピード

「食欲がなくなって、すごく減ってる!」と喜ぶ患者さんもいらっしゃいますが、減量スピードは控えめがベストです。

理想的なペース: 週0.5〜1kg、月2〜4kg

これより速いペースは:

  • 筋肉量の低下
  • 胆石形成のリスク
  • リバウンドしやすい状態

医学的に推奨されません。

用量調整は医師と相談を

「自分で勝手に減らしていいですか?」と聞かれることがありますが、医師の判断のもとで調整するのが基本です。

自己判断での中止・減量は:

  • 治療効果が出にくくなる
  • 副作用評価のタイミングを逃す
  • 次の処方が遅れる

などのデメリットがあります。LINEでもいいので、必ず相談してください。

「食べたい」が自然に戻る時期

ウゴービの食欲抑制は、増量直後が最も強いです。同じ用量を数週間続けると、体がある程度慣れて、食欲も少し戻ってきます。

つまり、最初の食欲ゼロ状態がずっと続くわけではありません。「最初の1〜2週間が一番きつい」と覚えておいてください。

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それでは、また!

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よくある質問

Q.食欲がなくなりすぎて、食事が摂れません。何を食べればいいですか?
A.少量で栄養価の高いものを優先します。卵、豆腐、ヨーグルト、野菜スープ、フルーツなど消化しやすいもの。タンパク質を意識すると筋肉量が落ちにくいです。当院では栄養士からの個別アドバイスも可能です。
Q.1日1食でも生活できるなら、それでいいですか?
A.短期的には問題ないかもしれませんが、長期的には筋肉量低下、骨密度低下、ミネラル不足のリスクがあります。1日2〜3食、少量でも分けて食べることをおすすめします。
Q.用量を下げると効果はなくなりますか?
A.効果は弱まりますが、なくなるわけではありません。1.0mgや1.7mgでも、生活習慣改善と組み合わせれば十分な減量効果が期待できます。「最大用量で大きく減らす」より「適切な用量で持続的に減らす」方が体への負担も少ないです。

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