こんにちは、院長の宮脇大です。

「先生、夜遅くに食べると太るって本当ですか?」

これも、患者さんからの定番の質問です。

結論から言うと、本当です。同じカロリーでも、食べる時間によって体の反応が違う ── これが「時間栄養学(クロノニュートリション)」という分野で明らかになってきています。

今日はそのメカニズムと、現実的な対処法をお話ししますね。

BMAL1という遺伝子の働き

人の体には体内時計があり、時間帯によって代謝の傾向が変わります。その中核を担うのが **BMAL1(ビーマルワン)**という遺伝子です。

BMAL1は脂肪を蓄積する働きがあり、その発現量は時間帯によって大きく変動します。

  • 午後3時前後:最も低い(=脂肪蓄積されにくい)
  • 午後10時〜深夜2時:最も高い(=脂肪蓄積されやすい)

つまり、同じ1,000kcalを食べても、深夜2時に食べた方が午後3時に食べたときよりも脂肪として体に残りやすい、という現象が起きます。

「夕食抜きで深夜にラーメン」は、最悪のパターンというわけですね。

体内時計と食事リズム

もうひとつ大事なのが、**「食事の時間を固定する」**ことそのものの影響です。

体内時計は光だけでなく、食事のタイミングでも調整されています。バラバラの時間に食べていると体内時計が乱れ、代謝が悪くなることがわかっています。

  • 朝食をだいたい同じ時間に取る
  • 夕食もできるだけ毎日近い時間に
  • 週末も平日と大きくずらさない

これだけで、減量がスムーズになる方がいます。

現実的な「夜食対策」

「20時までに夕食を終える」が理想ですが、現実は残業・付き合い・育児で難しいですよね。

私自身もそうです。完璧主義は破綻するので、現実的な対処法をいくつか:

A. 分食する

17〜18時に軽めの「夕食前半」(おにぎり、サンドイッチ、ヨーグルトなど)を取り、帰宅後は「夕食後半」として野菜とたんぱく質中心の軽めの食事に。1回の量を分けるだけで、深夜の大食いを防げます。

B. 帰宅後は炭水化物を減らす

帰りが22時を超えるなら、白米・パン・麺類は控えめに。野菜・スープ・たんぱく質メインに切り替える。

C. 消化のいいものを選ぶ

湯豆腐、おでん、味噌汁、雑炊など、消化が早いものを。揚げ物・脂っこいものは消化に時間がかかり、睡眠の質も下げます。

D. 「ながら食べ」をやめる

スマホやテレビを見ながら食べると、満腹感を感じにくくなり食べ過ぎます。短時間でも、食事に集中する時間を作る。

朝食を抜くより、夕食を軽く

「朝食抜き、夕食たっぷり」というパターンの方、結構いらっしゃいます。

これは時間栄養学的には逆。朝食を抜くと:

  • 体内時計のリズムが乱れる
  • 昼食での血糖スパイクが大きくなる
  • 夕食・夜食での食欲が増す

朝食はできるだけ取って、夕食を軽くする方が代謝には有利です。

Doctor’s Fitness診療所の食事指導では

当院では食事の写真記録(PHRアプリ)で、**「いつ・何を食べたか」**を医師・管理栄養士と共有していただきます。

「夜遅い食事が多いね」「お昼が遅いから夕食まで持たないんだね」など、生活パターンに即した具体的なアドバイスが可能です。

詳しくは卒業プログラムのページか、eat.doctors.fitnessをご覧ください。

それでは、また!

次回は「肥満症の運動療法 — 何から始めるべきか」についてお話しします。


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よくある質問

Q.残業で夕食が遅くなる場合、どうしたらいいですか?
A.現実的な対処として、①夕方17〜18時に軽めの「分食」(おにぎりやサンドイッチ等)を入れ、帰宅後は野菜・たんぱく質中心の軽めの食事にする、②帰宅後は炭水化物を減らす、③消化のいいもの(湯豆腐、味噌汁など)を選ぶ、などが有効です。
Q.朝食を抜いて夕食をしっかり食べるパターンはどうですか?
A.あまりおすすめしません。朝食を抜くと体内時計のリズムが乱れ、夕食以降の食欲が増しやすくなります。また昼食での血糖スパイクも大きくなる傾向があります。可能なら朝食を取り、夕食を軽くする方が代謝的に有利です。
Q.夜のお酒(晩酌)も控えた方がいいですか?
A.お酒そのもののカロリーに加え、おつまみで余分なカロリーを取りがちなので、減量期には控えめが望ましいです。完全禁酒でなくても、休肝日を週2日設けるだけで効果があります。

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