こんにちは、院長の宮脇大です。
今日は、ちょっと重い話です。
「自分はBMI 35以上だから、もうクリニックでは受けてもらえないんじゃないか・・」
そう思って受診をためらっている方、本当に多いんです。
結論から言うと、BMI 35以上の方こそ、医学的な治療を受けるべきフェーズです。当院でも対応していますし、必要に応じて専門医療機関への紹介状もお渡しできます。
今日はそのお話をしますね。
BMI 35以上(高度肥満症)とは
日本肥満学会の分類では、BMIは次のように区分されます。
| 分類 | BMI |
|---|---|
| 低体重 | 18.5未満 |
| 普通体重 | 18.5〜25未満 |
| 肥満(1度) | 25〜30未満 |
| 肥満(2度) | 30〜35未満 |
| 肥満(3度) | 35〜40未満 |
| 肥満(4度) | 40以上 |
BMI 35以上は 「高度肥満」と呼ばれ、医学的に治療が必要なフェーズと位置づけられています。
なぜ「治療が必要」なのか
BMI 35以上では、次のような健康リスクが急激に高まることが知られています。
- 心筋梗塞・脳梗塞のリスクが大きく上昇
- 2型糖尿病の発症リスクが、普通体重比で5〜10倍
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)のリスクが極めて高い
- 変形性関節症(膝・腰)が進行しやすい
- 非アルコール性脂肪肝(NAFLD/MASLD)から肝硬変への進行
- うつ・スティグマによる生活の質の低下
つまり、BMI 35以上のフェーズは、「太っているか痩せているか」の話ではなく、命と健康に直結する状態です。
「自分のせい」と自分を責めて受診をためらう必要は、まったくありません(肥満は意志の問題ではない)。
Doctor’s Fitness診療所での対応方針
当院は自費診療の卒業プログラムを中心に運営しています。BMI 35以上の方は、初診で次の評価を行います。
① 健康状態の総合評価
- 身長・体重・腹囲・BMI
- 体組成測定(InBody)
- 血液検査(肝機能・腎機能・糖代謝・脂質・甲状腺など)
- 必要に応じて心電図・腹部CT(内臓脂肪面積)・睡眠評価
② 合併症の確認
- 高血圧・糖尿病・脂質異常症の有無
- 睡眠時無呼吸の疑い(肥満と睡眠時無呼吸)
- 肝障害・腎障害
- 整形外科的問題(膝・腰)
③ 治療方針の選択肢を提示
評価の結果、次の3つの方向性のいずれかをご提案します。
A. 当院の自費卒業プログラムで対応
- 合併症が管理可能な範囲で、BMI 35〜40程度
- GLP-1(ウゴービ or ゼップバウンド)+ 食事・運動・睡眠の設計
B. 紹介状で保険診療ルートへ
- BMI 35以上+ 複数の重度合併症
- 経済的に保険適用での治療を希望される場合
- 連携先:国立循環器病研究センター等
C. 減量手術を視野に入れた専門紹介
- BMI 45以上、または BMI 35以上 + 重度合併症で薬物治療で改善困難
- スリーブ状胃切除術等を実施する高度専門医療機関へ
「卒業」の現実味:BMI 35以上のケース
BMI 35以上の方でも、卒業プログラムで BMI 30未満まで減量し、合併症の薬を減らす ことは十分に可能です。
実例として:
- 開始時 BMI 37.0 → 12ヶ月で BMI 28.5(体重 -25kg)
- 開始時 BMI 41.0 → 18ヶ月で BMI 30.2(降圧薬2剤 → 1剤、HbA1c 7.8 → 5.8)
- 開始時 BMI 35.2 → 8ヶ月で BMI 29.0(脂肪肝・SAS 大きく改善)
ポイントは、「BMI 22の標準体重を目指す」のではなく、合併症が改善し、薬が減らせるラインまで降ろすこと。これだけで生命予後は大きく改善します。
具体的なステップは卒業プログラムとは何かを参照ください。卒業した患者さんの実例はAさんのケースで書いています。
よくある誤解
誤解1:「BMI 35以上は薬じゃ無理」
GLP-1(ウゴービ・ゼップバウンド)の臨床試験では、BMI 35以上の方でも平均15〜20%の減量が報告されています。BMI 40の方なら30kg前後の減量も視野に入ります(ゼップバウンドとは)。
誤解2:「減量手術しかない」
減量手術は強力な選択肢ですが、すべての方に必要というわけではありません。BMI 35〜45の方の多くは、まず薬物治療 + 生活設計で対応可能です。手術はその後でも選べます。
誤解3:「クリニックは断られそう」
当院ではBMI 35以上の方を断ったことはありません。ただし、適切な医療機関を案内することはあります。「自分は対象外」と思って受診をやめないでください。
「ひとりで抱え込まないこと」が最大のリスク管理
BMI 35以上のフェーズは、医学的にもメンタルヘルス的にも重い状態です。
- 健診結果を見るのが怖い
- 服が選べない
- 階段で息切れする
- 家族から心配されることがつらい
- 受診すら気が重い
こうした状態を 「自分が悪い」と抱え込まないこと が、何より大切です。
LINEでの無料相談から始めるのが、いちばん心理的ハードルが低いです。直接来院しなくても、まずはチャットで状況を伺います。
Doctor’s Fitness診療所の卒業プログラム
当院の卒業プログラムは、BMI 27以上 + 健康障害2つ以上、または BMI 35以上の方を対象としています(適応条件)。
BMI 35以上の方には、特に丁寧な初診評価を行い、自費プログラムが適切か、紹介状ルートが適切かを一緒に判断します。
よくある質問
BMI 35以上だと当院では診てもらえないのですか?
そんなことはありません。当院でも自費の卒業プログラムで対応可能です。ただし重度の合併症がある方、外科手術(減量手術)を視野に入れたい方は、保険適用の専門医療機関(国立循環器病研究センター等)への紹介状を発行することもあります。
BMI 35以上は保険で治療できますか?
条件を満たせば可能です。BMI 35以上で複数の健康障害を合併していること、肥満症関連学会の専門医が常勤する大規模医療機関で受診することなどが要件。当院は自費診療ですが、適応がある方には連携先への紹介状を発行できます(2026年5月時点の制度。最新の基準は医療機関にご確認ください)。
減量手術と薬物治療、どちらがいいですか?
BMIや合併症、年齢、生活背景で変わります。BMI 35〜45程度で重度合併症が緩和できそうな場合はGLP-1中心の薬物治療を、BMI 45以上または薬物治療で改善困難な場合は減量手術を検討するのが一般的です。診察の中で一緒に判断していきます。
通院だけで治療可能ですか? 入院は必要?
ほとんどの方は外来通院のみで対応可能です。減量手術を選ばれる場合のみ、専門医療機関での短期入院が必要になります。当院の自費プログラムは月1回の外来診察 + 自宅での自己注射が基本です。
体重が重くて通院自体が大変です
その場合はまずLINEでご相談ください。初診の段取り、所要時間、必要な検査などを事前にご案内します。当院は新大阪駅から近く、エレベーターでアクセス可能です(新大阪で肥満症治療)。
関連記事 / 他サイトの情報
- 肥満症の診断基準 — BMI 25以上+11の健康障害
- 卒業プログラムとは何か
- 肥満症の健康保険適用条件 — 紹介状ルート
- 肥満と睡眠時無呼吸 — 減量でCPAPを卒業できるのか
- 卒業した患者さんの話 — Aさんのケース
- 睡眠の話は姉妹サイトの sas.doctors.fitness もご参照ください
BMI 35以上の方が受診をためらう必要はありません。「自分には無理」と決めずに、まずは状況を一緒に見せてください。プログラムでの対応か、紹介状ルートが適切か、医学的に最善の選択肢を一緒に考えます。
LINE相談はいつでも歓迎です。
それでは、また!
次回は「『先生も太ってましたよね?』患者さんに言われて」についてお話しします。
よくある質問
- Q.BMI 35以上だと当院では診てもらえないのですか?
- A.そんなことはありません。当院でも自費の卒業プログラムで対応可能です。ただし重度の合併症がある方、外科手術(減量手術)を視野に入れたい方は、保険適用の専門医療機関(国立循環器病研究センター等)への紹介状を発行することもあります。
- Q.BMI 35以上は保険で治療できますか?
- A.条件を満たせば可能です。BMI 35以上で複数の健康障害を合併していること、肥満症関連学会の専門医が常勤する大規模医療機関で受診することなどが要件。当院は自費診療ですが、適応がある方には連携先への紹介状を発行できます(2026年5月時点の制度)。
- Q.減量手術と薬物治療、どちらがいいですか?
- A.BMIや合併症、年齢、生活背景で変わります。BMI 35〜45程度で重度合併症が緩和できそうな場合はGLP-1中心の薬物治療を、BMI 45以上または薬物治療で改善困難な場合は減量手術を検討するのが一般的です。診察の中で一緒に判断していきます。